トマト倉庫八丁目

小説、漫画、映画、ゲームなどなど

【バカミス列伝 序文】なぜバカミスなのか

今年の京都大学SF・幻想文学研究会が夏コミで頒布するWORKBOOK110号は、「バカミス列伝」です。 自分も何本か寄稿させていただきました。 その中で「なぜSF研でバカミスなのか」という題で序文を書かせていただきましたので、宣伝を兼ねてその序文だけ、…

VIVEを使ってのVRChat初日の記録

昨日、初めてHTC VIVEを使ってVRChatを体験したので、記念に日記を書いておこうと思う。 ヘッドマウントディスプレイが届いたのは一週間くらい前だったのだが、プレイエリアを確保するために部屋の模様替えをしたり、トラッキング用のベースステーションを設…

翻訳記事:ウエルベックの想像力(ニューヨーク・タイムズ)

ニューヨーク・タイムズのウエルベックについてのエモい記事を翻訳してみたのだが、翻訳権があるので全体に公開するのはまずい。 そんなわけでパスワードをかけてみるテスト。 はてなブログで記事にパスワードをかけて暗号化する - ふく という記事を見つけ…

【後編】 『闘争領域の拡大』と「鉄の檻」――ウエルベックと西洋人の孤独ー――

非日常的なものと化してしまった性生活、とりわけ婚姻関係の枠外における性生活は、昔の農民にみられた素朴な有機的生活の循環からいまや完全に抜け出ている人間を、なおも一切の生命の根源たる自然へとつなぎとめうるただ一つの絆となるにいたったのである…

【前編】 『闘争領域の拡大』と「鉄の檻」――ウエルベックと西洋人の孤独ー――

今日の資本主義的経済組織は既成の巨大な秩序界(コスモス)であって、個々人は生まれながらにしてその中に入りこむのだし、個々人(少なくともばらばらな個人としての)にとっては事実上、その中で生きねばならぬ変革しがたい鉄の檻として与えられているも…

雑記12:就活における面接の愉しみ方

Twitterで就活辛い芸を続けているが、実のところそんなに苦しんではいない。 いや、やっぱ辛いけど。 まあそれでも三か月近く就活やっているとかなり慣れてきて、自分がどう振る舞えばいいのか、身のこなし方もわかってきた。 就活辛い芸ばかりやっていると…

「ドキドキ文芸部」直訳のダサさ:DDLCと翻訳の問題

久しぶりに『Doki Doki Literature Club!』の話。 前回書いたのは、日本語化パッチが出るか出ないかくらいのときに書いた紹介+ネタバレ感想記事。 sawaqo11.hatenablog.com 今回は、ちょっとだけDDLCの翻訳について愚痴を書こうかと思う。 自分は英語の…

『レディ・プレイヤー 1』での「現実」と「仮想現実」

『レディ・プレイヤー 1』がすごく楽しい映画だった。 サブカルチャー・オタクカルチャーネタのエモが雪崩のように襲ってきて、中盤からずっとオイオイ泣いていた。 ただ、ラストについては違和感があった。 そこで、その違和感を中心に、ネタバレありで色…

雑記11:「あなたを動物に例えると」と聞かれたくて仕方ない

近況 先日、1社から限りなく内定に近い何かを頂いたので、来年路頭に迷うことはなさそう。 ただ、そんなに志望度の高くない企業なので、まだまだ就活は続くし、精神的にもそんなに余裕ができたわけではない感じ。 ノースキルドブ文系大学院生は、就活市場に…

自分を受け入れるための戦争:『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。』レビュー

ありのままの自分を探し、その本当の自分自身を、自分で受け入れてやることは、ほとんど一生がかりの闘いだと思う。 受け入れたいはずの自分が、「ふつう」とは違う形をしていれば尚更だ。 自分が何者であるのか悩み、「ふつう」でない自分の形を持て余して…

雑記10:自己肯定感は生きていくために必要なんだ

アイドルの水野しずが前に 「自己肯定感は生きていくために必要なんだ! 自己肯定感は生きていくために必要なんだ! 自己肯定感は生きていくために必要なんだ!」 と叫び続ける動画をTwitterに上げてた気がするのだが、今探したら見つからなかった。 消して…

雑記09:Vtuberとラノベ

2つのブームの類似 就活のせいであんまりTwitterを見ないようにしているので、ブログ更新が捗る捗る。 で、ヴァーチャルYouTuberの話。 「こいつヴァーチャルYouTuberの話ばっかりしてんな」と思われそうだが、これだけ盛り上がっていると、やはり書きたい…

雑記08:河原町のジュリーはどこにいる

今日はホームレスの話をしようと思う。 夜勤バイト先の解放スペースによく出入りしていた、ホームレスのおっちゃんがいたのだ。 なかなかの臭いを放っていたこともあって、バイト先の人間からは嫌われていたが、自分は、どこかそのおっちゃんに愛着のような…

雑記07:湯シャンとクソ高いシャンプー

〇スケジュールについて 就活のせいでスケジュール帳が「ミチッ」っとなっていて、とても憂鬱である。 いや、スケジュール帳を埋めるときは楽しいのだ。 なんなら、ちょっとした満足感すらある。 自分の人生が充実しているような気持ち、あるいは「自分が他…

雑記06:文章と映像と動画と、それとVR

この3月でTwitterを始めてから丸7年になったようだ。 当時はまだ高校生で、クラスの中でTwitterをしているのは3人とかいう状況だったのを覚えている。 そのころのTwitterにはもちろん動画を投稿する機能はなく、写真も1ツイートにつき1枚まで。今よりも…

雑記05:ひねくれ就活記

○ブログのこと 全然ブログを更新できていないのに、このところ1日に30人くらいに見ていただいているようだ。そのほぼ全てがDDLCの記事。 今やDDLCはキズナアイがやるほどの人気ゲームになって、やはりネタバレを踏まずにやり過ごすのが難しくなってきたと思…

『Doki Doki Literature Club!』はヤバいゲーム

『Doki Doki Literature Club!』 前回に引き続き英語圏のノベルゲームをプレイした。 それが『Doki Doki Literature Club!』 ddlc.moe 『Doki Doki Literature Club!』は「Team Salvato」が製作した完全無料のノベルゲームである。 高校の文芸部を舞台に、可…

ゲーム『Butterfly Soup』レビュー

TOEFLiBTの受験日が近づいているのに、全然勉強する気が起きない、遊びたい。でも自堕落に遊んでいると、こんなことをしていていいのか、という罪悪感に襲われる。 ……というのを年末年始から繰り返していたが、天才なのでこのフラストレーションを解決する方…

雑記04:FOMO

ここ最近文章を書いて公開したい欲がすごく、連日ブログを更新している。 正直人に文章を公開するのはかなり恥ずかしい面もあるが、もうヤケクソである。ええいままよ。 ○バブルへの憧憬 なんか最近の日本はバブルへのあこがれがあるように思う。2017年はと…

雑記03:バブルの話とか国家の話とか

○三たび仮想通貨の話 また今回も仮想通貨の話なのだが。ここまで執拗に仮想通貨の話をするのは、周囲の投機にあまり興味がなさそうだった人たちがどんどん仮想通貨に参入していることによるところが大きい。個人的に悲しいのは、仮想通貨に参入している人の…

2017年に観て良かった映画まとめ

あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 2017年はいろいろなことを始めてみたものの、実りは少なく、結果的にじたばたしてたら終わっていたような一年でした。 2018年は成果を実感できる年にしたいですね。 もう年が明けちゃい…

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』レビュー

といっても、前回サークルの会誌で、「SF映画の原作を読む!」という企画用に書いたもののなのですが。 カズオ・イシグロノーベル賞受賞記念に、編集長の許可を取ってここにも貼っておきます。 会誌用なのでブログとは語り口がちょっと違うかも。 なお、京大…

雑記02:バーチャル何とかの話とか

前回の記事を書いて、普段人に話してもガン無視されるであろうアレコレを殴り書く楽しさに気がついてしまった。 クリスマスですね。 個人的に、クリスマスが近くなると、消費に駆り立てられている感じ、欲望を強制的に作らされている感覚があってモヤモヤし…

雑記01:仮想通貨の話とか

もうちょっと雑にブログを動かしたい気がしてきたので、メモ代わりの雑記。 今週は研究に進展があったので嬉しい。火曜の夕方以降は、自分のテンションが少し高くてキモかったかも。 ただ、そのぶん今月は研究のための文章ばかり読んでいて、趣味の本が全然…

藤井四段がデビューしてからの将棋界

今日、藤井四段からデビュー以来無敗の29連勝を達成して、連勝記録歴代単独一位になった。 www.sankei.com 前人未踏の素晴らしい記録だ。 しかし、将棋ファンとして個人的に、この記録はつまらない。 藤井四段がデビューしてから、将棋界はつまらくてしょう…

牡蠣の燻製を大量に作るライフハック

牡蠣の燻製がおいしい。 本当においしいのだ。 寒いのが本当に苦手で、早く春になってほしいが、牡蠣の燻製が作れなくなるのは嫌なので、もうしばらく冬でいてくれてもいい。そう思うくらい牡蠣の燻製がおいしい。 炬燵に入って作った牡蠣の燻製をパクパクし…

大人になること

誕生日だ。 20歳を越えてから誕生日はあまり嬉しいものではなくなってきた。 自分の前に広がる可能性が、部分的には、少しずつ狭くなっているのを感じているのかもしれない。 大正時代くらいまでは数え年が一般的だったから、正月と一緒に歳が増えるのを祝う…

『白馬のお嫁さん』『消滅世界』――男性の妊娠

『白馬のお嫁さん』(庄司創)の最終三巻を読んだ。 良いSFラブコメだった。 庄司創作品ということもあって頭でっかちなのだけれど、『勇者ヴォグ・ランバ』あたりに比べると今作は良い感じに肩の力が抜けている。 ただ、あっという間に終わってしまった感じ…

夏コミのお知らせと、星雲賞コミック部門半分くらいレビュー

まずは、僕が所属している京大SF・幻想文学研究会が夏コミ(C90)で頒布するやつの宣伝をば。 C90のお品書きです。新刊『WORKBOOK106 特集:SFと漫画』(星雲賞コミック部門全レビューなど)|¥400既刊『WORKBOOK105+Asterisme』(レムコレクションレビュー…

森達也『FAKE』感想

白か黒かという二項対立的な発想が嫌いだから、この映画をつくったわけです。だから結果として、「白と黒」が「黒と白」になりましたじゃ意味がない。(中略) だからそれを見て、この映画が全部フェイクだったのかと思う人がいてもいいんだけど、少なくとも…