トマト倉庫八丁目

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雑記04:FOMO

 

 

 ここ最近文章を書いて公開したい欲がすごく、連日ブログを更新している。

 正直人に文章を公開するのはかなり恥ずかしい面もあるが、もうヤケクソである。ええいままよ。

 

 

○バブルへの憧憬

 なんか最近の日本はバブルへのあこがれがあるように思う。2017年はとくにそれを感じた年だった。 
 まず、一部でファッションの1980年代回帰があった。レディーズファッションで眉太め口紅赤めが流行ったり。
 これはファッション・ブームのサイクルもあるかもしれない。ただ、バブリーなものはそれだけじゃなかった。芸能界ではブルゾンちえみや、もっとあからさまに平野ノラのようなバブル期を彷彿とさせるようなキャラクターがブレイクした。それから、大阪府登美丘高校のバブリーダンス。こうしてみると、バブル期へ回帰というのは確かにあるようだ。 

 

www.youtube.com


 バブル崩壊後、四半世紀がたって、贅沢をしてみたい気持ち、バブルへ回帰したい気持ちが噴き出してきているのだろうか。 おそらく40代以降の世代にとっては景気が最高に良かった時代への懐かしさ、それ以下の世代には憧れがあるのだろう。下のリンクで、博報堂の人が若者のバブルブームについて「憧れとネタ」「ちゃかしと憧れ」と言っているのは正鵠を射ているんじゃないかと思う。
 

www.nhk.or.jp
下のリンクは、量的調査としてはダメだけど、質的な調査としてはおもしろい。

www.oricon.co.jp
 この流行は、アベノミクスが(大企業に関しては)一定の成果を上げたこと(実質賃金の大幅減などは置いておくとして)や、価格が急上昇したビットコインの流行ともつぶさに連動しているようにも思える。
 バブル回帰現象はすごく面白く、楽しいものだとは思うが、歴史学徒としてはやはり一抹の不安がある。過去を「悪いことばかりじゃなかった」と振り返ると、どんなに悪い時代も正当化されてしまうのだ。例えば、ヒトラー政権が1929年の世界恐慌の際、世界で一番早い景気回復を遂げて完全雇用を達成した話は有名だ。ヒトラー政権も「悪いことばかりじゃなかった」のだ。バブル時代についても、もちろん悪いことばかりではなかっただろう。しかし、バブル期の浮利を追った狂躁が、その後の日本を「失われた20年」に追いやる一因となったのは確かだ。

 

 

○FOMO

 FOMOというスラング英語圏にあることを知った。fear of missing outの略で、「取り残されることへの恐れ」とか「置いていかれることへの恐れ」くらいの意味らしい。日本語でFOMOを一語で表すようなものは無いと思うが、かなり便利そうなのでバズるのも頷ける。
 思うに、今これだけソシャゲや仮想通貨が流行しているのも、このFOMOによるところが大きいんじゃないだろうか。周りの人間がやっていなければ、ソシャゲも仮想通貨も、きっとほとんどの人がやらないだろう。そして「周りの人」はSNSによって拡大される。
 FOMOで行動するのは弊害もあるだろうが、きっとかなり楽しいのだ。楽しいだけじゃなく、周りの人たちと同じ流れに乗っているという安心感もある。
 だからこそ、周りに踊らされない落ち着きと自信がほしい。
 大事なものはそんなんじゃないと言っていきたいと思う。

www.wired.co.uk