トマト倉庫八丁目

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雑記05:ひねくれ就活記

 

○ブログのこと

 

 全然ブログを更新できていないのに、このところ1日に30人くらいに見ていただいているようだ。そのほぼ全てがDDLCの記事

 今やDDLCはキズナアイがやるほどの人気ゲームになって、やはりネタバレを踏まずにやり過ごすのが難しくなってきたと思う。ほとんど情報がない時期にプレイできたのは幸運だった。

 

 

○就活

 

 完全に就活の闇に飲まれた。

 

 まだ3月の頭は心に余裕があったが、今はもう無心にESを書いてWebテストを受けて面接に赴くマシーンと化してしまった。つまらない人間になってしまったものだと思うが、そんなことを思うと足が止まってしまうので心を殺している。

 

 就活の短い期間で人間の有能さがわかるかと言えば、全くわからないと思う。とはいえ全てが実力主義で採用されるようになったら、それは休まる暇のない競争の世界だろうから、日本の新卒一括採用も一長一短だ。就活の期間中だけ茶番に耐えて、「将来的に仕事ができるようになりそうな人間」のフリをするだけでいい。

 就活を始めたころは、どうやってこの茶番を切り抜けようかと考えていた。

 

 そこで最初に思いついたのが、自分を文化人類学者だと思いこむ方法だ。

 つまり、

「私は21世紀の日本部族の「シュウカツ」なる特殊風俗についてフィールドワークに来た文化人類学者だ。この日本部族は「カイシャ」と呼ばれるムラ社会を形成するらしい。このムラには「ダイヒョウトリシマリヤク」と呼ばれる長(オサ)がいる。自分の研究を完成させるには、何としてでもこのオサと直接コンタクトを取りたい。しかし、オサはムラの中で高い地位にあるため、部外者が簡単に近づけるような存在ではない。そこで「ジンジ」と呼ばれるムラの中でオサとの仲介役を果たしてくれる人物に取り入って、ムラの一員と認めてもらい、自分をオサに紹介してもらう必要がある。このジンジに取り入るために必要になってくるのが、自分をムラの一員と認めてもらうための「シュウカツ」という儀式なのだ」

 と、思いこむのである。

 

 しかし、この方法は当然ながら役に立たなかった。

 アホなので最初はこの手法を真剣に試してみたのだが、これで自分に暗示をかけるにはかなり無理があるとわかった。もし実際にこれで暗示がかかったとしたら、そいつはかなりヤバいやつだろう。俺が人事なら速攻で落とす。

 そこで役に立ったのが借○玉氏のブログ記事だった。

syakkin-dama.hatenablog.com

 いろいろと思うところはあるが、この「茶番センサー」を壊す方法については全く正論だと思う。

 つまり、就活に時間とお金をできる限り注ぎ込んで、「就活くだらねー」とかいう意識を一切頭のなかから消し去ってしまうのだ。

 不思議なことに、実際に大量の就活本を読み漁ったり、会社説明会に参加しまくったりしていると、常住坐臥就活のことが頭から離れなくなり、「くだらねー」なんていう意識はすっ飛んでしまうのである。

 たぶん、ひねくれ者は「茶番センサー」を破壊しないと、就活のスタートラインにすら立てないと思う。「茶番センサー」を破壊して、やっとスタートラインなのだ。「茶番センサー」を壊さずに生きる道もたくさんあるだろうが、就活をしようと思ったなら、まずは涙を呑んで頭を就活で染め上げる必要があるだろう。もしこれを読んでいる後輩がいたら、就活をする際にはなるべく早くこのセンサーを壊してしまうことをお勧めする。

 「茶番センサー」を壊さないままひねくれ者であり続けて、モラトリアムを延長しまくって大モラトリアミールとなることも考えたが、新卒カードを切れるのは人生で一度きりなのだ。切っておいてもバチは当たらないだろう。人生の選択肢は、大学に入った時ほど無限ではないが、社会に出てからもなおやはり無限だと思う。

 

 上の借金○氏のブログ記事を読んでいなかったら、今もノンベンダラリと就活生になりきれない就活生のままでいただろうから、その意味ではとてもありがたい。

 代わりに就活の闇に飲まれて何も面白くない人間になってしまったが、就活は人生の内のほんの数か月の期間でしかない。

 早ければ六月の頭には終わるのだから。

 

 この話を東大の哲学科を出た友人に話したら、

 「まあ人生と言うか世界の大半は茶番だからね。茶番じゃないものを探すほうが難しい……茶番じゃないものって何だろう……ああ「神」とかは茶番じゃないね。「国家」も茶番だし、「神」くらいだよ茶番じゃないのは」

 とのことだった。

 俺も早くそっちに戻りたい。