トマト倉庫八丁目

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20200309日記:目的を持ったヤツがちゃくちゃくと準備をしてる

 ザ・タイマーズの「争いの河」を最初に聴いたときは全然ピンと来なかった。

 

 

 大人たちが言い争ってる

 原発や米や税金で言い争ってる

 大人たちが言い争ってる

 社会や文化、経済で争ってる

 

 その間に目的を持った奴がちゃくちゃくと準備をしてる

 (チャクチャク チャクチャク)

 THE TIMERS 「争いの河」

 

 

 「いやいつまで準備したらええんやお前も大人やろ争えや」くらいに思ったものだったけど、

 今あらためて聴くと、争わなければならず消耗している人の横で、争わずに「準備」ができる人の恐ろしさにも目がいくようになっていた。

 少なくとも「Twitterなんかで消耗せずにできることを着実にやって地道な努力をしていこう」とちょっと前向きな気持ちになれる、悪くない歌詞だと今は思う。

 

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 モヤモヤするのは「準備を進めている奴」の「準備」が、争いのための準備なのか、争わないための準備なのかわからないところなんだろうな。

 

 

 それは置いておいて、とうとうニューヨーク株式市場が暴落して、いよいよ世界的な恐慌に入ってきてしまったんじゃないかと暗い気持ちになっている。

 

 正直、不況はいつ来てもおかしくないとは思っていた。

 

 異常な低金利は、各国の金融緩和がもう限界なことの表れだった。アメリカのPMIも、50切ったら不況と言われるなか、このところ50を切っていた。そして米中貿易摩擦があった。そんななかでも、S&P500指数はどんどんと上昇し、不動産価格も上がり続けていた。

 そんな中にこのウイルス騒ぎが襲ったんだから、不況むべなるかなという気にさえなる。

 

 景気は浮き沈みがあるんだからそりゃ沈むときは沈むわくらいに考えているけれど、今回怖いのは、リーマンショックの後のような秩序が今の国際政治に存在しないことだ。

 アメリカはトランプ大統領になって世界のリーダーをやめてしまったし、EUはイギリスが抜けているようでは話にならない。メルケルさんもそろそろ退陣だし。

 中国は、リーマンショックの後は60兆円近い財政出動をして「世界を救った」とさえ言われているけれど、今の状況の中国にそんな大胆な打ち手は期待できないように思う。

 とにかく、自国第一主義が広がっていて、国際政治に期待できるプレイヤーが全くいない状況なのだ。歴史で習った1929年の大恐慌を思い出してしまうくらいに。

 

 きっと、ウイルスの影響がどこまで続くかわからない不透明な状況のなか、秩序不在のまま不況が広がっていくんだろう。コロナウイルスの死者数とは比べものにならないくらいの人が不況で死ぬはずだ。最悪の気分。

 悲観的になるほど悪い状況じゃないと思いたいけど、失われた20年を生きてきたせいでどうしても暗い予想になってしまう。

 

 こんな状況で個人ができることなんてないんだから、やれることを着々とやっていくしかない。

 暗い争いから一歩だけ身を引くこと、着々と準備をすること。

 今はそうするしかないんだろう。

 (チャクチャク チャクチャク……)