VIVEを使ってのVRChat初日の記録
昨日、初めてHTC VIVEを使ってVRChatを体験したので、記念に日記を書いておこうと思う。
ヘッドマウントディスプレイが届いたのは一週間くらい前だったのだが、プレイエリアを確保するために部屋の模様替えをしたり、トラッキング用のベースステーションを設置したりするのに時間をとられてしまった。
初めてヘッドマウントディスプレイを装着したときは、やはり衝撃的だった。自分の汚い和室の下宿から、アニメの世界へワープしたかの錯覚を覚えた。もちろん、現実世界に比べたら圧倒的に解像度の低い世界なのだが、幼いときからアニメやゲームの世界に慣れ親しんできた身としては、十二分に「リアルさ」を感じられる。
なんとなく操作方法もわかったところで、適当にワールドを探索してみる。まずは体をVRに慣らそうと、人が全くいないワールドにいくつか行ってみたが、そこでまた衝撃だった。360°広がる美しい景色のなかを物理法則を超えて自由に動き回れるのだ。楽しくないわけがない。
夏の区界かな?
特に驚いたのは、Space Shipのワールド。疑似的な無重力空間になっていて、投げた植木鉢などがフワフワと宙に浮くのだ。「VR空間では現実世界の物理法則は無視できる」というのは頭ではわかっていたが、実際に目の前でそれが起きたのは嬉しかった。
VRの公共空間における物理法則が今後どのように最適化されていくのかは気になるところだ。現実世界の物理法則に従う必要もないが、現実から離れすぎると参入障壁が高くなっちゃうんじゃないかなーと思ったりもした。
ただ、この対談で語られているように、VRならアクセスしている人ごとに「非対称性」が作れる(ユーザごとに物理法則の違う空間にすることもできる)ので、VRChatにもそういうカスタマイズが増えていくのかもしれない。
そのあとはカメラの使い方を覚えたりしていた。
人のいないワールドでワチャワチャしてたらいつの間にか自分の姿が深海棲艦みたいな天使になってたし何もわからんね(カメラの使い方もわからん) pic.twitter.com/wau8ccWmmd
— ディストピア三太夫 (@swk0n11) 2018年8月5日
https://twitter.com/swk0n11/status/1025957037912408065
「わーい自撮りができるようになったぞー」ってやってたら指導教員から「修論の進捗はいかがですか」ってメールが来て心臓が止まった pic.twitter.com/mhPzubXIKS
— ディストピア三太夫 (@swk0n11) 2018年8月5日
https://twitter.com/swk0n11/status/102595703
7912408065
慣れてきたところで満を持して人が集まっているパブリック・ワールドへ行ってみた。
そこはもうカオスというかなんというか、人間の想像をブチ撒けたかのような場所だった。可愛い女の子のキャラクター、SAOのキリト、ピカチュウ、3メートルはあろうかというホオジロ、サムライジャックのアク、タマザラシ、真っ赤に燃えるダルマ、DDLCのMonika、のじゃロリの狐娘、巨大なバナナ、ルビー・ローズ、アイアン・ジャイアントなどなど、あらゆる姿のアバターたちがうごめいていた。
統一感などまるでない。古今東西のあらゆる人間の想像力が形になってる。
とはいえ、やはりほとんどはオタク・カルチャーからの引用であって、大塚英志が言う「まんが・アニメ的リアリズム」に慣れてない人にとっては、nerdの悪夢じみた空間だとは思う。今のところは、このVRChatの空間をどこまでリアルに感じられるかは、アニメやゲームような架空の想像力に慣れているかにかかっているかもしれない。現実より解像度の低い世界であるのは確かだし。
巨大なバナナのせいでシュルレアリズムっぽい
そのあとは、親衛隊の恰好をした韓国人に「お前はSSを嫌っているか」と聞かれなてナチスの映像を見せられたり、女性キャラアバターの日本人男性同志がイチャイチャしてるのを見たり、三人組に“Where're you go'in”とか言われながら追いかけられたりした。
初日は全部で3時間ほどのプレイだったが、VR酔いは一切しなかった。これは先輩が言っていたことだが、移動が自分の身体と同期していない(説明しにくいが、キャラクタが歩くのではなく、ポインタを当てた場所へキャラクタが移動するのを幽体離脱のように見送くってから移動が完了する)ことが理由だろう。幽体離脱のようになるので没入感は若干下がるが、酔いはしにくくなっている。
そんな感じで、ヘッドマウントディスプレイを着けてのVRChat体験は、ほとんどストレスのない、非常に楽しいものだった。
本当に、ヤバイくらい楽しい。
そして奥が深そうというのも味わった。
自分が見たのはその沼の片鱗でしかないが、自作アバターを作ったり、そのアバターにモーフを追加したり、自分でワールドを作ったりと、技術的なところは凝ろうと思えばいくらでも凝れてしまう。趣味が合う人を探したり、外国人といろいろな言語で交流するのも楽しいだろう。
とにかく、楽しみ方はいろいろあって、時間はいくらあっても足りなさそうだ。
のめりこみすぎると、本当に修論が書けなくなる恐れがあるので、ほどほどにしておこうと思う。
ほどほどに楽しみつつ、これからのVRがどのように発展していくのか、いろいろ考えながら体験していきたい。